Mendeleyのすすめ

論文の管理にはEndnoteが有名ですが、個人では買うのを躊躇してしまうくらい高いお値段。そういうわけで、フリーでそれなりに使えるMendeleyの紹介です。

論文を一括管理でき、PDFファイルはオンラインストレージにアップされるので(最大500MB)、研究室以外の場所で論文を参照するときなんかに便利です。さらに論文の共有もできるので、共同研究者がいるときはすごい便利。ただ、500MBはすぐに埋まっちゃうので、たまにいらないPDFファイルを消してやらないといけません。英語オンリーなので日本語の文献を扱うのには難がありますが、物理の論文は大抵英語なので大丈夫でしょう。Windows, Mac, Linuxに対応し、iPhone/iPadからも見ることができます。

また、私はまだ使ってないのでわからないのですが、Bibtexにも対応しています。

導入ガイド

まず、Internal Mendeley Errorで名前とメールアドレスを登録し、本体をダウンロードします。メールに本人確認のアドレスが送られてくるので、そこにアクセスした後、使用することができます。

Linuxにインストールする場合、Qtが必要なのでインストールしておきます。

ソフトを使う前に、論文を放り込んでおくフォルダとして、例えばマイドキュメントに"Mendeley Files"などという名前のフォルダを用意しておきましょう。ダウンロードした論文のPDFファイルはここに保存しておきます。

さて、起動したら設定をします。メニューバーの Tools -> Options -> Watched Folders とたどっていき、先ほど作った"Mendeley Files"にチェックを入れておきます。こうすることで、"Mendeley Files"に入ってきた論文ファイルが自動的にMendeleyに取り込まれます。ちなみにこういうのが不要という場合は、 File -> Add Files かプログラム画面に直接D&Dすることで取り込むことができます。

次に Tools -> Options -> File Organizer で全部のチェックボックスにチェックを入れます。これによってMendeleyで管理される論文が全て一つのフォルダ(デフォルトでは"Mendeley Desktop")にまとめられます(当然、"Mendeley Files"にもファイルが残ります)。

論文に付加される情報は Tools -> Options -> Document Details で指定できます。普通はこのままでいいのですが、物理だとarXivを使うことが多いので Document type を Journal Article を選び、arXivにチェックを入れておくと便利です。論文の情報は自動的にネットから拾ってきてくれますが、間違いが結構多いので、ちゃんと埋められなかった場合は手動で入力しないといけません。

論文をジャンルごとにまとめるときは Create Folder をクリックするとできます。できたFolderに論文D&Dして整理します。

論文を書いた時、引用文献を最後にずらっと並べますが、そのリストを作るのにも便利です。一例として、APSの場合を取り上げます。このときはメニューバーから View -> Citation Style -> More Style -> Get More Style で American Physical Society を探しましょう。使うときは、論文を右クリックして、Copy (LaTeX) Citation を選ぶとクリップボードに格納されます。


以上で設定は終わりですが、さらに次のブラウザで見ている論文を直接Mendeleyに送れます。Web Importという機能で、赤いバックに白文字で"IMPORT TO MENDELEY"という画像のリンク先を右クリックしてブックマークします。FireFoxならば画像をお気に入りのマークのところにD&Dすればできます。Mendeleyに登録したい論文があれば、そのページ(論文の情報が書かれたページ)を開いて、さきほどブックマークしたページをクリックしてやると登録されます。この場合は論文のPDFファイルは保存されませんので要注意です。

また、arXiv自身もMendeleyに対応しており、arXivアブストラクト画面にあるMendeleyのアイコンをクリックすると登録されます。