Ubuntu11.10 Quantum ESPRESSOのインストール

第一原理計算ソフト、Quantum ESPRESSOの導入方法の解説。
そもそもQuantum ESPRESSOとは何か?と言う場合はググってください。
ちなみにWIEN2kと異なり無料です。
使い方のページもそのうち作れたらなぁ、と思っています。

ちなみに、公式のチュートリアルは以下のページで見ることができます。
Quantum ESPRESSO Tutorial

準備

事前に必要なのは、build-essential, gfortran, fftw3-devの三つです。
これをインストールします。
端末を開いて

$ sudo apt-get install build-essential fftw3-dev gfortran

でインストールします。

実行ファイルはgfortranよりもifortで作った方が早いので、そっちを使いたい場合はgfortranの代わりにifortをインストールしてください。
cmphysの日記
ifortのインストールが終わったら、端末で次の様に入力します。

$ sudo apt-get install liblapack-dev fftw-dev

これで準備は終わりです。

Quantum ESPRESSOのインストール

Quantum ESPRESSOのダウンロードは次のページから行います。
qe-forge.org
以下、"espresso-5.0.tar.gz"をダウンロードしたとして話を進めましょう。
ダウンロードしたファイルをホーム・フォルダにおきます。
そして、端末で次の様に入力し、ファイルを展開します。

$ tar -xzvf espresso-5.0.tar.gz

展開できたら、展開先のフォルダに移動して、インストールします。
configureについてるオプションは、デフォルトではMPIを使用することになっているので、それをOpenMPを使うように変更しています。
MPIを使いたい場合はオプションを外します。

$ cd espresso-5.0
$ ./configure --enable-parallel=no --enable-openmp=yes
$ make all

最後の make all はちょっと時間がかかるので根気よく待ちましょう。
途中で

/usr/include/features.h(324): 致命的なエラー: ソース ファイル "bits/predefs.h" を開けません。
#include
^

コンパイルは stack.c で異常終了しました (コード 4)。

と言われる場合があります。
この場合はなんらかの理由で bit/predefs.h がへんなところに行っているので(自分の場合は/usr/include/i386-linux-gnu/に入り込んでた)

sudo ln -s /usr/include/i386-linux-gnu/* /usr/include/

とリンクを貼り、

$ make clean
$ make all

でもう一回コンパイルします。


インストールができたら、.bashrcを書き換えます、
ホーム・フォルダにある.bashrcを開きます。
(ちなみに、Linuxでファイルの最初にピリオドがついているのは隠しファイルで、Ctrl+hで表示できます。もう一回、Ctrl+hで再び隠れます)
このファイルの最後の行の下に以下の文を付け加えます。

export PATH=$PATH:/home/username/espresso-5.0/bin/

ただしusernameは、自分のユーザー名に変更してください。
保存できたら、パソコンを再起動するか、端末に戻って次のように入力します。

$ source ~/.bashrc

以上でインストールは終了しました。
ホーム・フォルダにあるespresso-5.0.tar.gzはもういらないので消しても構いません。


PWguiのインストール

GUI環境でQuantum ESPRESSOを使いたい場合は、PWguiをインストールします。
まず、端末を開き直すか、$ cd と入力してホーム・フォルダに戻ってください。
PWguiにはTcl8.5, iwidgets4の二つが必要です。
すでに入っているが最新バージョンではない場合は、アンインストール後、最新バージョンにインストールしなおしてください。
すでに入っている場合、そのバージョンは

$ sudo dpkg --get-selections | grep tcl
$ sudo dpkg --get-selections | grep iwidgets

で取得できます。
入っていない場合は何も表示されません。
最新バージョンではなかった場合、アンインストールは

$ sudo apt-get purge tclx.x
$ sudo apt-get purge iwidgetsx.x

で行います。xはさきほど取得したバージョン番号に置き換えます。
最新版のインストールは

$ sudo apt-get install tcl8.5 iwidgets4

で行います。

できたら、さきほどと同じページか、PWguiのホームページからダウンロードします。
qe-forge.org
http://www-k3.ijs.si/kokalj/pwgui/download.html
以下、"PWgui-5.0.tgz"をダウンロードしたとして話を進めましょう。
ちなみにPWguiのバージョン番号はESPRESSOのバージョン番号と違っててもいいみたいです。
このtgzファイルを「右クリック->ここに展開する」で展開すると"PWgui-5.0"というフォルダができるので、これをさきほどの"espresso-5.0"というフォルダに入れます。

最後に、ホーム・フォルダの.bashrcを開いて

export PATH=$PATH:/home/username/espresso-5.0/PWgui-5.0/

を、さきほど書いたものの次の行に付け加えてください。
再起動するか

$ source ~/.bashrc

を実行したらインストールは終了です。
コマンドラインから

$ pwgui

と入力して、PWguiが起動すれば成功です。

XCrySDen

XCrySDenは結晶構造などを画像で出力するソフトです。
以下のサイトからダウンロードできます。
最新版はVersion 1.5みたいですが、なぜかインストールできなかったのでVersion 1.4を使いました。
XCrySDen - (X-Window) Crystalline Structures and Densities

ダウンロードしたファイル(例えばxc-1.4.1bin-linuxPC-static.tar.gz)を展開して、espresso-5.0フォルダに'xcrysden'などという名前のフォルダを作って入れておきます。

$ cd
$ cd espresso-5.0/xcrysden/
$ ./xcConfigure

として、後は指示に従ってインストールしてください。
今度は.bashrcに自動的に書き込まれるので

$ xcrysden

と入力して起動したら成功です。

追記

$ sudo apt-get install xcrysden

でもインストールできました。